はじめに
転職活動で転職エージェントとの面談を控えているあなた。「何を話せばいいんだろう…」「何か失礼なことを言ってしまったらどうしよう」と不安に感じていませんか?
年間100件以上のキャリア相談に乗っていると、ほんの少しの言葉の選び方で、エージェントから紹介される求人の「質」や「量」が大きく変わってしまう場面を何度も見てきました。これは、本当にもったいないことです。
この記事では、あなたが転職エージェントを最高のパートナーにし、理想のキャリアを掴むために、面談で避けるべきNGワードとその理由、そして「こう言えばもっと良くなる」というポジティブな伝え方を、具体的な実例とともに解説します。
この記事で学べること
・転職エージェントとの面談で避けるべき具体的なNGワード5選
・意欲やスキルが正しく伝わるポジティブな代替フレーズ
・エージェントとの信頼関係を築き、質の高いサポートを引き出す方法
NGワード1:「どこでもいいです」は意欲を疑われる
面談の場で「どんな会社がいいですか?」と聞かれた時、つい「どこでもいいです」と答えてしまう。これは絶対に避けたいNGワードの代表格です。
良かれと思って伝えたその一言が、エージェントには「転職への意欲が低い」「キャリアプランがない」というネガティブな印象を与えてしまいます。結果として、誰もが応募できるような一般的な求人や、あなたの経歴とはあまり関係のない質の低い求人ばかりが紹介されることになりかねません。エージェントも、あなたの希望が分からなければ、何を基準に求人を探せば良いか分からなくなってしまうのです。
なぜ「どこでもいいです」がNGなのか?
この言葉がNGな理由は、主に3つあります。
- 主体性の欠如と見なされる キャリアはあなた自身のものです。「誰かが決めてくれる」という姿勢は、仕事に対する主体性も低いと判断され、企業へ推薦しづらくなります。
- 提案の精度が著しく下がる エージェントはあなたの希望という「的」がなければ、矢を放つことができません。「何でも良い」と言われると、的外れな求人を紹介するしかなくなり、結果的にお互いの時間が無駄になってしまいます。
- 早期離職を懸念される 明確な軸なく転職すると、「思っていたのと違った」というミスマッチが起こりやすくなります。エージェントは企業との信頼関係も大切にしているため、早期離職のリスクが高い候補者を積極的に紹介することはためらわれます。
ポジティブな伝え方:「〇〇を軸に、可能性を広げたい」と伝える
もし、まだ自分の希望が固まっていなくても、焦る必要はありません。正直にその気持ちを伝えた上で、「一緒に考えたい」という姿勢を見せることが大切です。
【実例】 「正直に言うと、まだ明確な希望業界は絞り込めていません。ただ、現職で培った〇〇というスキルは今後も活かしていきたいと考えています。このスキルを活かせるのであれば、IT業界でもメーカーでも、業界を問わずに可能性を探ってみたいです。プロの視点から、私に合いそうな業界や職種についてアドバイスをいただけませんか?」
このように伝えることで、「主体的にキャリアを考えているが、専門家の意見も求めている」というポジティブな姿勢が伝わります。エージェントも「この人のために良い提案をしよう」と、より親身になってくれるはずです。
NGワード2:「年収〇〇円以上なら何でも」は視野を狭める
「とにかく年収を上げたい!」その気持ち、とてもよく分かります。しかし、その気持ちをストレートに「年収〇〇円以上なら、仕事内容は問いません」と伝えてしまうのは危険です。
年収は転職における重要な要素の一つですが、それが「唯一の条件」になってしまうと、あなたのキャリアの可能性を著しく狭めてしまいます。目先の年収に飛びついた結果、社風が合わなかったり、やりがいを感じられなかったりして、短期離職につながるケースは少なくありません。そうなっては、元も子もないですよね。
なぜ「年収だけ」がNGなのか?
年収だけを絶対条件にすることには、大きなリスクが伴います。
- キャリアのミスマッチ: 年収が高いという理由だけで入社すると、仕事内容や企業文化、働き方といった他の重要な要素とのミスマッチが起こりやすくなります。
- 長期的な視点の欠如: あなたのスキルや経験を長期的に伸ばせる環境かどうかを見極められず、数年後のキャリアアップの機会を逃す可能性があります。
- 「条件面だけの人」という印象: エージェントや企業から、仕事内容へのこだわりがなく、より高い年収を提示する他社へすぐ移ってしまうのではないか、という印象を持たれかねません。
ポジティブな伝え方:「希望年収と、実現したい働き方の両方を伝える」
年収への希望を伝えつつ、それ以外の「大切にしたい価値観」もセットで話すことがポイントです。
【実例】 「希望年収は600万円以上を考えています。ただ、それと同じくらい、チームで協力しながら成果を出していくような働き方ができる環境を重視しています。前職では個人で動くことが多かったため、今後はチームの一員として貢献できる職場で経験を積みたいです。もし、そうした環境で私の経験が活かせるのであれば、年収については柔軟に検討したいと考えています。」
このように伝えれば、単なる条件交渉ではなく、あなたの仕事に対する価値観や意欲が伝わります。エージェントも、年収と働き方の両方を満たす、より満足度の高い求人を真剣に探してくれるでしょう。
自分に合うエージェント、見つかっていますか?
ここまでNGワードについてお話してきましたが、そもそも「このエージェント、自分と合っているのかな?」と感じることはありませんか?
実は、転職の成功は、どんなエージェントとパートナーを組むかに大きく左右されます。IT業界に強いエージェント、ハイクラス向けのエージェント、20代のサポートが得意なエージェントなど、その特徴は様々です。
正直、数ある転職エージェントの中から、やみくもに探すのは非効率ですよね。だからこそ、まずは「自分に合う相談相手」を客観的に見つけることが、転職成功への一番の近道なんです。
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NGワード3:「前の会社の悪口」は信頼を失うだけ
面談で退職理由を聞かれたとき、ついつい前職への不満が口をついて出てしまう…これは絶対に避けなければなりません。
「上司が評価してくれなくて」「会社の将来性がなくて」「人間関係が最悪で」といったネガティブな発言は、あなたの評価を下げるだけで、何も良いことはありません。エージェントは「この人は他責思考なのではないか」「新しい職場でも同じような不満を抱くのではないか」と懸念し、企業への推薦をためらってしまいます。
なぜ「悪口」がNGなのか?
前職の悪口は、百害あって一利なしです。
- ネガティブな印象を与える: 他者のせいにする傾向があると判断され、人間性や協調性に疑問符が付きます。
- 問題解決能力を疑われる: 環境への不満を言うだけで、改善のための行動を起こさなかった人と見なされてしまいます。
- 企業への推薦リスク: エージェントは「この候補者を紹介したら、クライアント企業でトラブルを起こすかもしれない」と考え、あなたへのサポートに消極的になります。
ポジティブな伝え方:「事実と、そこから得た学びを伝える」
ネガティブな退職理由を伝える際は、「事実」と「そこから何を学び、次にどう活かしたいか」という未来志向のセットで話すことが鉄則です。
【実例】 「前職では、個人の営業目標達成が第一に評価される環境でした。もちろん、目標達成に向けて努力することにやりがいは感じていましたが、次第に、チーム全体で協力して、より大きな目標を達成することに貢献したいという思いが強くなりました。そのため、今後はチームワークを重視し、組織全体の成長に貢献できる環境で働きたいと考えています。」
これは、「個人主義の職場が嫌だった」という不満を、「チームで貢献したい」というポジティブな転職理由に変換した例です。このように伝えれば、エージェントも企業も、あなたの前向きな姿勢を評価してくれるでしょう。
NGワード4:「あまり転職する気はなくて…」は優先度を下げられる
「良いところがあれば考えたい」「情報収集がメインです」といったスタンスで面談に臨む人もいるかもしれません。しかし、この「転職意欲の低さ」を正直に伝えすぎるのは得策ではありません。
転職エージェントのビジネスは、あなたが転職を成功させて初めて報酬が発生する「成功報酬型」です。そのため、当然ながら、転職意欲が高く、すぐにでも選考に進みたいと考えている候補者を優先的にサポートします。意欲が低いと判断されると、良い求人があっても後回しにされたり、連絡が途絶えたりする可能性があるのです。
なぜ「意欲の低さ」を見せるのがNGなのか?
エージェントもビジネスで動いています。その点を理解しておくことが重要です。
- サポートの優先順位が下がる: 他に意欲的な候補者がいれば、そちらのサポートが手厚くなるのは自然なことです。
- 非公開の優良求人が回ってこない: 企業が急いで採用したいと考えているような、魅力的な非公開求人は、転職意欲の高い候補者に優先的に紹介されます。
- 「冷やかし」だと思われる: ただ情報を集めたいだけだと思われ、本気のサポートを受けられなくなる可能性があります。
ポジティブな伝え方:「良いところがあれば、積極的に検討したい」と伝える
情報収集の段階であっても、転職への前向きな姿勢を示すことが大切です。
【実例】 「現職に大きな不満があるわけではありませんが、3年後のキャリアを考えたとき、より専門性を高められる環境に身を置きたいと考えています。特に、〇〇の分野で最先端の技術に触れられる企業があれば、ぜひ積極的にお話を伺いたいです。良いご縁があれば、すぐにでも転職したいと考えています。」
このように、具体的なキャリアプランと絡めて「良い出会いがあれば動きたい」という意思を明確にすることで、エージェントはあなたを「質の高い候補者」として認識し、真剣に求人を探してくれます。
NGワード5:「御社(エージェント)しか使っていません」という嘘
複数のエージェントに登録するのは、転職活動において非常に一般的な戦略です。しかし、面談で「他のエージェントも利用していますか?」と聞かれた際に、気を遣って「いえ、御社だけです」と嘘をついてしまうのは絶対にやめましょう。
この嘘は、遅かれ早かれ必ずバレます。例えば、他社経由で応募した企業に、そのエージェントからも推薦されそうになった場合など、簡単に発覚してしまいます。嘘がバレた時、あなたとエージェントの間に築かれた信頼関係は一瞬で崩れ去り、その後のサポートに大きな支障をきたすことになります。
なぜ「嘘」がNGなのか?
信頼は、エージェントとの関係における最も重要な土台です。
- 信頼関係の崩壊: 嘘をつく人と判断されれば、エージェントは本音であなたと向き合ってくれなくなります。有益な非公開情報や、選考対策の深いアドバイスも得られなくなるでしょう。
- 選考管理が困難になる: 複数のエージェントから同じ企業に応募してしまう「重複応募」のリスクが高まります。これは、転職活動における重大なマナー違反です。
- 誠実さを疑われる: エージェントは「企業に対しても不誠実な対応をするのではないか」と懸念し、あなたを推薦すること自体をためらうようになります。
ポジティブな伝え方:「正直に利用状況を伝え、相談する」
複数のエージェントを利用していることは、正直に、そしてオープンに伝えましょう。その上で、そのエージェントに何を期待しているのかを明確に伝えることが、信頼関係を深める鍵です。
【実例】 「はい、他にも2社のエージェントを利用しています。A社は大手企業全般、B社は外資系企業に強いと伺っているので、幅広く情報収集をしています。ただ、私の第一希望である〇〇業界のスタートアップ企業については、その分野に特に強いと評判の御社に最も期待しています。専門的な視点から、他では得られないような求人をご紹介いただけると嬉しいです。」
このように正直に話すことで、誠実な人柄が伝わります。さらに、エージェントごとの役割分担を明確にすることで、彼らの競争心に火をつけ、「他社より良い提案をしよう!」と、より一層サポートに力を入れてくれる効果も期待できるのです。
おわりに
転職エージェントとの面談は、あなたのキャリアを左右する重要な機会です。彼らはあなたの「評価者」ではなく、転職というゴールに向かって一緒に走る「パートナー」です。
今回ご紹介したNGワードを避け、ポジティブな伝え方を意識するだけで、エージェントとの信頼関係は格段に深まります。そして、その信頼関係こそが、質の高い非公開求人や、的確な選考アドバイスを引き出すための最も大切な鍵なのです。
まずは次の面談で、今回学んだ伝え方を一つでも実践してみてください。きっと、エージェントの反応が変わり、あなたの転職活動がより良い方向へ進んでいくはずです。応援しています!
